最初に言っておくと、私は無類の「時代劇すきー」だったりする。
就学前から、ひいばあちゃんの部屋で一緒に、ありとあらゆる時代劇をみてきた。
当時だと、
まず代表格は、TBSナショナル劇場の『水戸黄門』『大岡越前』+α。
TBSは、なかなか盛んで、いろいろな時代劇を制作していた。
まぁ、フォーマットはだいたい同じだったけど。
いわゆる「TBSドラマ」のフォーマット。
有象無象出てきて、割台詞で喋るみたいな。
『大岡越前』に関しては現在、そのフォーマットごとNHKに移管されている。
剣客商売はまだ続いているね。
日テレは、どちらかといえば青春ドラマ×時代劇みたいな感じの作品が多い印象。
私の『銭形平次』ファーストインプレッションは、この日テレ版。
主演は、風間杜夫。
みんな「銭形平次=大川橋蔵」っていうんだけど、オンタイムでみてないからね。
こればっかりは仕方ない。
テレビ朝日も面白い作品を作ってた。
有名なのは『暴れん坊将軍』ね。もちろん、みてたよ。
でもね、好きだったのは『三匹が斬る!』シリーズ。
主演が、高橋英樹、役所広司、春風亭小朝、当時まだアイドルだった長山洋子の印象が強い。(別の女優さんも演じられていたらしい。)
テレ朝はその後も比較的、見やすい時代劇を放送する枠が残っていて、高校くらいに放送していた『八丁堀の七人』が、実は大好きだったりする。
最後スペシャルでいいから1本やってほしかったなと、いまだに思っている。
だってオチついてないじゃん。
それぞれの時代劇で、結構覚えている話とかも多くて、再放送されていると、オープニングをみただけで、展開とオチがわかる、古めの作品も多かったりする。
(その才能を別方面で活かせないものか。。。)
昨今はテレビ時代劇が少なくなってきてしまって、非常に残念に思っていたりもする。
さて。
前置きが長くなってしまったけれど、そんな「時代劇すきー」の私が、心の拠り所にしているといっても過言ではない(いや、多分過言だ)、NHKBSプレミアムの時代劇枠。
今回は、『小吉の女房』。
山本むつみ先生の、完全オリジナル作品。
山本むつみ先生は、言わずと知れた有名脚本家で、NHKでいったら『ゲゲゲの女房』とか、大河ドラマ『八重の桜』とか、そのほかにも多くのNHK作品に関わっている。
デビューがNHKだからね。
『八重の桜』も好きよ。戊辰戦争終結までしかみてないんだけど。
主人公は、勝海舟。
…ではなく、その母と父。
勝海舟ものといえば、『父子鷹』が有名で、現在の松本白鸚さんと幸四郎さんでやった日テレの作品が、私にとっては印象深い。
最初聞いた時、『父子鷹』を下敷きにしつつなのかな?と思ったら、とんでもない。
勝海舟が残した、父や、母を評する文章や、小吉が残した文章から、完全オリジナルで描かれた作品。
ホームドラマとして、テンポがだいぶゆっくりになってしまう回もあるのだけど、全8回しかないし、なにせ主演の沢口靖子の美しさでオールオッケーという感じ。
そして話毎に書かれる、沢口靖子の美文字。
父の小吉役は古田新太。
破天荒さがぴったり。
麟太郎は、途中から鈴木福。
そして、遺作…ではないのかな?江波杏子が沢口のおばあさん役で、めちゃくちゃいい。まさに、Theいじわるばあさん。
いじわるばあさんと、養子である小吉の小競り合いもなかなか面白かったんだけど、
最終話でその、いじわるばあさんが亡くなった時、今まで「ばばぁ」と呼んでいた小吉が「おふくろ様」と呼んでおいおい泣くシーンにグッときてしまった。
さすが古田新太。うまいなぁ。
完全オリジナルでここまでできる山本先生がやっぱりすごいし、NHKの回数っていい感じだよねって思う。たまに中途半端な回数だなとは思うけど、絶妙なんだなと。
民放もクールにこだわらずに作ればもう少しマシな作品増えるかね?
次のBS時代劇は何がくるかしらね。